アロマテラピーとは植物の持つ芳香成分を健康や美容に役立てる”芳香療法”と呼ばれるものです。
欧米では心や身体、スピリットを癒すツールとして広がっている自然療法のひとつです。
自然の植物の持つ香りは、自律神経を整え、日々の疲れた心や身体を癒してくれます。忙しい毎日の中でも
生活の中に簡単に取り入れることが出来るので、自分を整えるセルフケアに役立ててみてはいかがでしょうか?
今回はアロマテラピーの歴史やアロマのメカニズム、お勧めアロマなどをご紹介いたします!
アロマテラピーとは?
Aromatherapyとは「アロマテラピー」(フランス語)、「アロマセラピー」(英語)と語訳されていて、どちらも同じものを指します。アロマ(芳香)テラピー(療法)1928年にフランスの化学者であり調香師でもあったルネ・モーリス・ガットフォセによって作られた造語です。
ガットフォセは自身の化学実験中に事故に遭い、重度の火傷を負います。その際、傷を癒すために咄嗟にラベンダーの精油を使いました。ラベンダーの精油を使うと痛みが和らぎ、傷跡の治りの早さに驚かされたガットフォセはアロマテラピーの研究を始めました。
アロマテラピーは、植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)を使って心身を癒す「芳香療法」です。
【AEAJ(日本アロマ環境協会)のアロマテラピーの定義】
アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、美と健康に役立てていく自然療法です。
アロマテラピーの歴史
アロマテラピーで使われる自然の香りは古い歴史があります。精油の原材料である植物は古くから薬草として役立てられてきました。
◆古代文明
古代エジプトではすでにハーブティやハーブオイルを使っていました。古代エジプトのミイラを作る際、死者の内臓が腐らないように防腐剤として没薬(ミルラとも呼ばれる:ミイラの語源ともなる)
神殿では神にささげる香りとして香が焚かれ、儀式などに欠かせないものでした。
古代ローマ帝国時代には医者であり、薬理学者でもあり、薬草・薬理学の父と言われるディオスコリデスが薬草を研究し、600種類以上の植物の薬理効果をまとめ、マテリア・メディカ(薬物誌)を著しました。
古代ローマの皇帝ネロはバラの香りをこよなく愛し、全身にバラのオイルを塗ったり部屋中をバラの香りで満たしたといわれています。
◆中世
11世紀頃、アラブ人の哲学者でもあり医者、科学者でもあったアヴィケンナ(イブン・スィーナー)は、バラを用いた錬金術の過程で、精油とバラ水ができることを発見し、水蒸気蒸留法による精油の生産方法を確立しました。バラ水は十字軍により、ヨーロッパに広められ、その他にもサンダルウッドや高価なスパイスなどが持ち帰られました。
14世紀のハンガリー王妃エリザベートは脳卒中の後遺症や通風による手足の痺れの治療のためにに処方したハーブ薬ハンガリーウォーターが作られる。この薬草水を使うことでエリザベートはみるみる若返り、美しくなり、ポーランド国王から求愛された言い伝えから、ハンガリーウォーターは「世界最古の香水」、「若返りの水」と呼ばれる。
◆現代
20世紀初頭、フランスの化学者ルネ=モーリス・ガットフォセは、 研究中に重度の火傷を負い、とっさにラベンダーの精油に手を浸し癒した事をきっかけに精油の研究を始め、さまざまな論文を発表しながら、「アロマセラピー」という言葉を作る。
フランス人の軍医ジャン・バルネは第二次世界大戦中に治療薬が不足する中、精油から作った芳香薬剤で負傷兵を癒しました。同時期には、オーストリア出身の生化学者マグリット・モーリーは、 精油を植物油に希釈したオイルでのマッサージを提唱し、一般に広め、のちにイギリスで発展するホリスティックアロマテラピー(心身の不調を心・体・スピリットの全体をとらえてアプローチするアロマテラピー)の基礎を築いた。
1977年、イギリス人 ホリスティックアロマセラピーの権威であるロバート・ティスランドが「The Art of Aromatherapy」を発表。これが、アロマセラピーが世界的大流行するきっかけとなり、精油やアロマテラピーの研究が進んだ現在では、医療や介護、美容、心身のケアからスピリチュアルな領域まで幅広く活用されています。
植物のどの部分から精油は抽出されるの?
植物の種類によって抽出部位は違います。
・花・つぼみ:バラ、ジャスミン、ネロリ、カモミール、イランイラン
・葉:ゼラニウム、ユーカリ、ティートゥリー
・枝と葉:プチグレン
・果皮:柑橘系(オレンジ、レモン、ライム、ベルガモットなど)
・果実・種子:ジュニパー、ブラックペッパー、バニラ
・樹皮:サンダルウッド(白檀)、シダーウッド、パイン、シナモン
・根・ベチバー、スパイクナード
・全草:ハーブ類(ラベンダー、レモングラス、バジル、ローズマリー、ミントなど)
アロマテラピーの仕組み
アロマテラピーでは植物から抽出した芳香成分である精油(エッセンシャルオイル)を使用します。精油は改善したい症状や目的に合わせて、たくさんの種類の中から選ぶことができます。空間に精油成分を拡散させる機器であるアロマランプやディフューザーを使った芳香浴、精油を植物オイルに希釈させてマッサージを行うトリートメント、精油をお風呂に垂らすアロマバス、アロマ配合のスキンケアなどによって体内に香り成分を取り込みます。
【精油が心身に働きかける3つのルート】
香りが体内に働きかけるルートは主に3つあります。
1.鼻から直接脳へ届くルート
精油の香りを香る時、芳香成分が嗅覚を通して電気信号となり、脳の大脳辺縁系へ伝達。
さらにそこから自律神経系を司る視床下部へ働きかけます。
・大脳辺縁系とは、情動、記憶、動機付け、本能行動、自律神経の調節など
生きる上で大切な機能に関係する部分
・視床下部とは、心臓の動きや呼吸、食べ物の消化など、無意識に自動的に調整する機能を司る部分
2.肺から全身に届くルート
鼻や口から吸収された芳香成分が気管支を通して肺へ届き、肺胞から血液の流入し全身に運ばれます。
3.皮膚を通して全身へ届くルート
精油を植物オイル(キャリアオイル)に混ぜて、身体をマッサージ(トリートメント)することで、精油成分が皮膚から吸収され、血液を通して全身に運ばれます。
アロマテラピーは、感情や身体はもちろん、エネルギーレベルにまで働きかけてくれます。ただし、安価なオイルやアロマオイルと記載のあるオイルは混ぜ物がしてあるもの(偽和)や、合成香料の場合もあるので注意が必要です。植物から抽出できる芳香成分はごくわずか。ラベンダーは1キロの植物からわずか6~8mlほど。貴重なローズの精油(ローズオットー)に至っては1滴のローズオイルを採るのに50本のバラの花が必要とされます。このように、天然の精油の抽出量は少ないため、合成香料と比べると高価です。アロマテラピーで使う精油は必ず100%天然の精油(エッセンシャルオイル)を選びましょう。
アロマテラピーにはどんな効果があるの?
心と身体のバランスを取るアロマテラピーには様々な効果が期待できます。サトルアロマテラピー、ホリスティックアロマテラピーでは心身だけでなく、感情やオーラ、チャクラなどのエネルギーレベルまで効果も期待できます。
アロマテラピーで使用される精油(エッセンシャルオイル)は世界中で1,500種類ほど、アロマテラピーで使われる精油は2-300種類といわれています。ここでは一般的な効果・効能の一部をご紹介いたします。
【心身への作用】
・鎮静作用
神経系の働きを鎮め、心と身体の働きをリラックスさせる作用です。
・消化促進・食欲増進作用
胃腸の消化活動を活発にし、食欲を増進する作用です。また、胃の働きをよくすることを、健胃作用といいます。
・ホルモン調節作用
ホルモンの分泌を調節する作用です。
・免疫賦活作用
免疫の働きを強め、活性化する作用です。
【細菌やウィルス、虫に作用する効果】
・抗菌・抗真菌作用
細菌や真菌(カビ、酵母など)の増殖を抑える作用です。
・抗ウイルス作用
ウイルスの増殖を抑える作用です。
・虫よけ作用
虫を寄せつけない作用です。
(AEAJ日本アロマ環境協会HPより引用)
アロマテラピーの楽しみ方
アロマテラピーはいつでもどこでも簡単に日常生活の中に取り入れることができます。いくつかの代表的な使い方をご紹介します。
◆芳香浴
精油(エッセンシャルオイル)を空間に拡散させて心身のバランスを整える方法です。精油をティッシュやお湯を注いだマグカップに数滴落としてデスクやベッドサイドなどの狭い空間に置いたり、アロマランプやディフューザーを使って香りを部屋に拡散させます。
◆吸入法
マグカップや洗面器にお湯を入れ、精油を数滴落としてから、口、鼻から精油成分を含んだ蒸気を吸入することで、喉の痛みや呼吸器系のケアに役立てる方法です。頭からタオルをかぶり、顔に蒸気を当てることでフェイシャルスチームとしてスキンケアにも活用できます。
◆トリートメント法
精油を希釈したトリートメントオイルを身体や顔に塗布する方法です。
リラクゼーション、保湿、整肌、血行促進、筋肉の凝りの緩和などの効果があります。
アロマテラピーの注意点
アロマテラピーは比較的安全な自然療法ですがいくつかの注意があります。
・必ず希釈して使う・・・原液を皮膚につけない
・精油を飲用しない・・・フランス式のアロマテラピーや一部精油メーカーは飲用を勧めていますが基本的にはお勧めしません。
・ペットや子どもの手の届かないところに保管し、火気に注意する
・医師の治療を受けている場合、薬を服用中の方は、医師や薬剤師に相談して精油を使いましょう。
・妊娠中は芳香浴以外のアロマテラピーは医師に相談して行いましょう。
・3歳未満の乳幼児には芳香浴以外は行わないようにしましょう。
・皮膚の弱い方がトリートメントなどを行う場合、低濃度の希釈から始めましょう。
その他精油の種類によって取り扱いに注意が必要な場合もあります。
その他、ご心配のある方はアロマセラピスト、アロマインストラクターなどの専門家に相談してから
アロマテラピーを始めましょう。
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アロマテラピーは精油があれば、いつでもどこでも気軽にセルフケアが出来る自然療法です。
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