精油マメ知識シリーズ①カモミール-植物のお医者さん♪

アロマテラピーにはたくさんの種類の植物から抽出された精油（エッセンシャルオイル）が存在しています。ここでは、人気の高い精油のプロフィールをシリーズでお届けしていきます。第一回目はカモミールです！

カモミールはカミツレとも呼ばれ、リンゴのような甘酸っぱい優しい香りが魅力的な精油です。精油で使われるカモミールは、ローマンカモミールとジャーマンカモミールの２種類があります。

小さな白いかわいらしい花から抽出されるオイルで、幅広い効能を持ち、一緒に寄せ植えなどをすると周りの植物を元気にしてくれることから『植物のお医者さん』とも呼ばれています。今回はカモミールについての基本的な知識と、歴史や効果などをまとめてみました。

カモミールの精油の基本情報

【植物名】ローマンカモミール
【学名】　Anthemis nobilis
　　　　　Chamaemelum nobile
【原産国】イギリス
【科目】　キク科
【精油の抽出部位】花
【抽出方法】水蒸気蒸留法
【蒸発速度】ミドルノート

【植物名】ジャーマンカモミール（ブルーカモミール）
【学名】　Matricaria recutina
【原産国】イギリス
【科目】　キク科
【精油の抽出部位】花
【抽出方法】水蒸気蒸留法
【蒸発速度】ミドルノート

カモミールの植物としての特徴

春から初夏にかけて咲くイギリス原産の植物です。カモミールローマン（多年草）、カモミールジャーマン（一年草）の２種類があります。どちらも３０cmほどの丈で白い小さな花をつけます。踏まれても枯れない強い生命力を持ち、グランドカバーなどにも使われる植物です。

どちらの精油にもアズレンという抗炎症成分を含んでいます。（ジャーマンカモミールの方が含有量が多い）カモミールジャーマンはブルー色の精油になり、少し渋みのある香り。カモミールのドライハーブ、ハーブティはカモミールジャーマンが使用されます。

カモミールの花言葉はその強い生命力から「逆境に耐える」「苦難の中の力」「仲直り」「友情」「清楚」「あなたを癒す」という意味があります。

カモミールの持つ歴史

カモミールという名前はギリシア語で『地面のリンゴ』という意味が由来であるとされています。エジプトではカモミールは悪寒の治療に使われていたため、太陽の捧げられていました。また、カモミールの近くに植えられた植物の病気を治すので『植物のお医者さん』と古くから呼ばれていたほど。古くから神経に関係する病気や肝臓の障害の緩和に重宝され、ハーブティは安眠のために使われていました。
日本では、カモミールは西洋医学の民間薬として広まりました。オランダ名「カミルレ」が転じて「カミツレ」と呼ばれるようになりました。

カモミールの心と身体に対する働き

【心への働き】
鎮静/抗不安作用
カモミールのフルーティな優しい香りは心を穏やかにし、ストレスや緊張、不安などを和らげます。心を鎮めるので不眠などにも役立ちます。

【身体への働き】
鎮痛作用/抗菌作用/抗炎症作用/抗アレルギー作用/消化促進/傷の修復作用/駆虫作用
カモミールには鎮痛作用があります。頭痛や片頭痛、歯痛、月経痛、筋肉痛などの痛みの緩和に効果があります。
また、カモミールは月経を整え、月経痛を和らげる力があるので、月経不順や月経前症候群・月経前緊張症（ＰＭＳ）、更年期障害などの様々な女性のトラブルにも効果的です。

胃などの消化器系のトラブル、肝臓の不調にも有効。カモミールは白血球の生産を促すので繰り返す感染症や免疫をアップさせたり、抗アレルギーもあるのでアレルギーで起こる目や肌のかゆみ、乾燥を緩和してくれます。

カモミールの精油はこんな人におすすめ

カモミールの精油は鎮静作用が高く、リラックスに最適の精油で催眠効果もあるので、ストレスの多いお仕事をされている方、寝つきの悪い方、夢見が多い人など睡眠トラブルを抱えている方におすすめです。ベッドサイドで芳香浴（ディフューザーを使ったり、マグカップにお湯を注いで数滴垂らす）などで使います。就寝前のカモミールティーもおすすめ。

また、見逃せないのはカモミールの持つ鎮静作用。頭痛や片頭痛、生理痛など痛み全般に効果があるので、痛みの緩和におすすめ。ベッドサイドでアロマスプレー噴霧などの芳香浴や、お風呂上りにトリートメント（植物オイルに希釈して身体をマッサージします）など。

カモミールを使ったお勧めブレンド

カモミール精油を使用する際、注意する事

通経作用があるので、妊娠初期の数か月は芳香浴以外の使用を避けましょう。

以上、カモミールについてご紹介してきました。カモミールは比較的安全性が高く、幅広い効能を持つのでお子様からご年配の方まで安心してお使いいただける精油です。ぜひ使ってみてくださいね。